第4章 ルーク・エンディング
4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)
A ルーク+ルーク列ポーン
白のポーンがあまり前進していなければ明らかに黒の引き分けの可能性は大きくなる。しかし一般的に黒の防御の手法は同じである。異なるのは黒ルークがポーンの前にいる方が有利になる場合があるということでその例が図145である。
図145
シェロン、1927年
どう見ても白が有利な状況である。黒キングは遮断されているし黒ルーク単独では白キングに守られたポーンの前進を妨げることができない。このような不利な状況にもかかわらず黒は巧妙な手段で守り通すことができる。
1.Kb5 Rd8!
ルークがポーンの前にいることの利点の一つをこの手に見てとることができる。黒はルークの交換を挑むことができる。白がそれを受けて 2.Rxd8 Kxd8 3.Kb6 Kc8 となれば引き分けである。従って白ルークはd列からどかなければならず黒キングがポーンに近づくことができる。
しかし 1...Rb8+ は軽率で 2.Kc6 Rb1(2...Ra8 は 3.Ra4 Rc8+ 4.Kb7 Rc1 5.a6 Rb1+ 6.Kc7 Rc1+ 7.Kb6 Rb1+ 8.Ka5 で白の勝ち)3.a6 Ra1 4.Kb5 Rb1+ 5.Ka5 Ra1+ 6.Ra4 で白が勝つ。
2.Rc4
2.Ra4 は 2...Kd7 3.a6 Kc7 で引き分けになる。
2...Rb8+!
黒は正確に指さなければならない。2...Kd7 は 3.a6 Ra8(3...Rc8 なら 4.a7!)4.Kb6 Rb8+ 5.Ka5 Ra8 6.Rh4! Rg8 7.a7 Kc7 8.Rh7+ から 9.Ka6 で白が勝つ。
3.Ka4
3.Ka6 Kd7 と 3.Kc6 Rc8+ 4.Kd5 Kd7 はどちらも引き分けである。
3...Kd7 4.a6
4...Rc8
4...Rb1 5.Ka5 Ra1+ 6.Kb6 Rb1+ 7.Ka7 Rb2 の方がもっと簡単である。
5.Rb4
5...Kc6
この手は最も難解な防御手段だがそれでも黒が引き分けにできることを示すために本手順に選んだ。もっと簡明な手順は次のとおりである。5...Rh8 6.Ka5 6.a7 なら 6...Ra8 7.Rb7+ Kc6 で良い。6...Kc7 7.Rb7+ 7.a7 なら 7...Rh5+ 8.Ka4 Rh8 である。7...Kc8! 7...Kc6? は 8.Rb6+ Kc7 9.a7 Rh1 10.Ra6! で白が勝つ。この手順中 9...Rh5+ なら 10.Ka6 Rh2 11.Rc6+! で良い。8.Rb5 8.Kb6 なら 8...Rh6+ 9.Ka7 Rc6 である。8...Rh7 で白は何も進展が図れない。
6.Ka5 Rc7! 7.Rb6+ Kc5
黒キングはc列から追い払われることがないので引き分けである。以下の手順は例えば次のとおりである。8.Rb7 Kc6 9.Rb1 Kc5 10.Rb6 Kd5 又は 10...Rh7 11.Rb7 Rh1 12.Rc7+ Kd6 13.Rc4 Ra1+ 14.Kb6 Rb1+ でも引き分けである。11.Rh6 11.Kb5 なら 11...Rc5+ 12.Kb4 Rc4+ 13.Kb3 Rc7 で引き分けである。11...Kc5 12.Rg6 Rf7 13.Rg5+ Kc6 14.Rg6+ Kc5 15.Rg1 Rc7 16.Rc1+ Kd6
から 17...Kc6 で元の局面に逆戻りする。
(この節続く)