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第1部 開放型
第2章 エバンズ・ギャンビット
第32局
白 アレグザンダー
黒 タイラー
ヘースティングズ、1935-6年
英国の輝ける若きマスターは本局で古今のあらゆる防御にもかかわらずエバンズ・ギャンビットが死んでいないことを証明した。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.b4 Bxb4 5.c3 Ba5 6.d4 d6
7.Qb3
白は主導権を失くすわけにはいかない。次のような展開は白にとって何の得にもならない。7.d5 Nce7 8.Qa4+ c6 これでビショップに紐がついている。7.Qa4 exd4 も良い見通しが立たない。7.O-O は 7...Bb6(ラスカー防御)で黒はどこにも問題がない。
最も有力な手順は 7.dxe5 dxe5 8.Qb3(当然クイーン交換を避ける)8...Qf6(8...Qe7 なら 9.a4、8...Qd7 なら 9.O-O から 10.Rd1)9.Bg5 Qg6 10.Nbd2 Bb6 11.h4 Nf6 12.Bd5 で白が有利な体勢でポーンを取り返す。
7...Qd7
唯一の受けである。7...Qe7(又は 7...Qf6)では 8.d5 Nd4 9.Nxd4 exd4 10.Qb5+ でビショップを取られる。白の前の手(7.Qb3)の意味はここで明らかである。つまり敵のクイーンは愚形となり自分の白枡ビショップの動きの妨げとなっている。
8.dxe5
8.O-O ならここでも 8...Bb6 である(9...Na5 の狙い)。考慮に値する手は 8.a4 で 8...Bb6 を予期するが 9.a5 Nxa5 10.Rxa5(この犠牲で白は攻撃の継続と加速を期待する)10...Bxa5 11.dxe5 Nh6(1932年にアレグザンダーによって示唆された独創的な手)12.e6(12.Bxh6 は 12...gxh6 13.exd6 O-O で 14.Ne5 なら 14...Qe8 なのであまり大したことがない)12...fxe6 13.Ng5 c6 14.O-O Qe7 15.Bxe6 となると白が万全を尽くしたとはとても言えない。
8...Bb6
ギャンビット・ポーンを返すのがこの防御の精神である。8...dxe5 は 9.O-O で Rd1 又は Ba3 が続く。勧められないのは 8...Nxe5 で 9.Nxe5 dxe5 10.Bxf7+ Qxf7 11.Qb5+ から 12.Qxa5 で白が優勢である。
9.Nbd2 Nh6 10.O-O O-O
11.exd6
この手は 11.Ba3 よりももっと黒に捌きの機会を与えてしまう。
11...Qxd6
12.Bd5
ここでは 12.Ba3 は 12...Bc5 で効果がない。
12...Na5 13.Qb4 Qg6 14.Ne5 Qh5 15.Ndf3 c6
16.Ba3
この手は見かけ倒しである。すぐに 16.Bb3 と引く方が良かった。
16...Re8 17.Bb3
17...c5
17...Nxb3 18.axb3 c5 の方がもっと簡明だった。
18.Qb5 Rxe5 19.Nxe5 Qxe5
20.Bd5
20.Rad1 で 21.Qxb6 を狙う手も面白かった。
20...c4
この誘いの隙(21.Bxf7+ なら 21...Nxf7 でクイーンにひもが付く)は駒損につながる。20...Qe7 と受けておかなければいけなかった。
21.Bb4
21...Be6
黒は自らの罠にはまった。21...Nc6 は 22.Bxc6 で駒損になる。
22.Bxa5 Ng4
必死の反撃だが簡単にかわされる。
23.g3 Bxd5 24.exd5 Bxf2+ 25.Rxf2 Nxf2 26.Kxf2 Qf5+ 27.Kg1 黒投了
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