第4章 攻め方
第16局
本局のあなたは黒番で、指導パートナーはユーゴスラビアの伸び盛りの若者のデゥラセビッチである。対戦相手は1955-6年のヘースティングズ大会で同点優勝したビクトル・コルチノイである。この試合は1956年のベオグラードでのソ連対ユーゴスラビア戦で指された。局面図までの手順は次のとおりである。
1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4 4.Bg5 c5 5.d5 h6 6.Bh4 b5 7.e4 d6 8.Qc2 O-O 9.dxe6 Nc6 10.Nf3 Bxe6 11.cxb5
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11...Nd4
2点。ギャンビット特有の指し方である。黒の6手目のポーンの犠牲は白のキングの露出と釘付けのクイーン翼ナイト、それに黒が展開でかなり差をつけていることに基づいている。
12.Nxd4
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12...cxd4
1点。
13.a3
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13...Ba5
4点。13...Qa5(1点)の方がもっと良さそうに見えるが実際は 14.Bxf6(指し手が進むに従い働きの増す黒の小駒を交換で消してしまう)14...gxf6 15.Rc1 dxc3 16.axb4 で黒の攻撃態勢は急に消えうせてしまう。
14.b4
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14...g5
5点。黒は1ポーン損しているので一手一手大切に指さなければならない。14...Bxb4(2点)は 15.axb4 dxc3 16.Qxc3 Rc8 17.Bxf6! gxf6 18.Qg3+ Kh8 19.Be2 で白がちょうど危機を脱する。14...dxc3(3点)は 15.bxa5 Qxa5 16.Bxf6 gxf6 17.Bd3 で黒のc列のパスポーンは強力だが黒のキング翼がばらばらなので白にも反撃の可能性がある。
15.Bg3
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15...Rc8
5点。もし前の手でこの手を選んでいたらそれも可能なので6点。他の手はそれほどはっきりしない。例えば 15...dxc3(2点)は 16.bxa5 Qxa5 17.Bxd6(Bb4 の狙い)、15...Bxb4(1点)は 16.axb4 dxc3 17.Qxc3 Nxe4 18.Qd4 である。
16.bxa5
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16...Rxc3
2点。
17.Qd2
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17...Nxe4
2点。
18.Qxd4
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18...Qxa5
4点。19.Qxe4 と取ってくれば 19...Rc1+ がある。
19.Qb4
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19...Qxb4
2点。
20.axb4
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20...Re8
5点。e列の隠された狙いのために白は展開を完了させることができない。例えば 21.Be2 なら 21...Bc4! 22.Bxc4 Nxg3+ 23.Kd2 Ne4+ から ...Rxc4 である。
21.f3
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21...Re3+
4点。21...Nxg3 は 22.hxg3 Bc4+ 23.Kf2 ではっきり決まらないので0点。
22.Kd1
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22...Bb3+
3点。
23.Kc1
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23...Rc8+
3点。
24.Kb2
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24...Rc2+
2点。
25.Ka3
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25.Rd2
6点。この落ち着いた手で白がすぐに投了した。
診断 本局はポーンを犠牲にして攻撃を行なっている時は一手一手を大切に指す必要性を非常にはっきり示している。13,14または15手目で間違えたなら、いろいろな変化をもっと注意深く且つ完璧に読まなければならないことを示している。本局に現れている他の原則はクイーン同士が交換されても残りの攻撃駒の連係が良く取れていれば攻撃が成功を収めるということである。最後に白の苦戦は序盤で早くキャッスリングをすることを怠ったことに原因があった。キングが原位置に留まっているうちに中央列の筋が通るといろいろな駒捨ての手筋が可能になってくる(第27局と比較するとよい)。