« 第33回小学生将棋名人戦 | メイン | 一手一手の定跡習得(158) »

実戦に役立つエンディング(166)

第4章 ルーク・エンディング

4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)

 ルーク+ルーク列以外のポーン

(c)2段目から6段目までのポーン

前図での受け方は非常に重要でしばしば黒を救ってくれることがある。

YKeres166.JPG 図166

 既に述べたように白はポーンを進めるためには自分のルークの助けが必要である。白は黒キングの不利な位置につけこんで次のように勝つことができる。

1.Kb4!

 白は手順を違えて 1.Rd4 を先に指すことはできない。そう指すと 1...Rd8!(黒ルークがポーンの前の方にいる利点の一つ)2.Rxd8 Kxd8 3.Kb4 Kc8! で引き分けになってしまう。

1...Rb8+ 2.Ka5

YKeres166A.JPG

2...Rc8!

 黒はむやみにチェックをかけてはいけない。2...Ra8+? は 3.Kb6 で白ポーンを進ませるか 3...Rb8+ 4.Kc7 で黒ルークが逆に当たりにされてしまう。

3.Kb5 Rb8+ 4.Ka6 Rc8 5.Rd4!

YKeres166B.JPG

 白は自分のキングを可能な限り先に進ませたところで自分のルークでポーンを守る。黒はポーンの前進を防げない。

5...Ke6

 もし黒キングが既にこの地点にいたら 5...Ke5 ですぐに引き分けにできたところである。つまり図166で黒キングがe6またはe5にいたら引き分けである。しかし黒キングがe4かそれよりも下にいたら白は 1.Re1+ で黒キングをポーンから2列遠ざけることにより勝つことができる。この点については後にまた触れる。

6.Kb7

YKeres166C.JPG

6...Rc5

 6...Ke5 は 7.Rd5+ で黒ルークがただで取られる。

7.Kb6 Rc8 8.c5

YKeres166D.JPG

これで白が勝つ。

 もう明らかであるが図166で黒の手番ならば 1...Rd8(第1手目の解説を参照)または 1...Ke6(第5手目の解説を参照)で引き分けである。これはつまり黒キングがポーンから2列以上離れていなければ白の勝つ可能性は極めて小さいということである。

 図166で白が勝てたのは黒ルークが左側から横のチェックをする距離が足りないせいであったことを指摘しておく。図166の局面を少なくとも2列右に移せば白は勝つことができない。また黒ルークがポーンの前でなく後ろにいれば黒の引き分けにできる可能性もなくなることは明らかである。

 図166の局面を1列左へ移すと 2.Ka5! が不可能なので白に勝ちがなくなる。
YKeres166E.JPG
例えば 1.Ka4 Ra8+ 2.Kb5 Rb8+ 3.Ka5 Ra8+ 4.Kb6 Rb8+ で引き分けである。

 1.Rc4 ならば黒は 1...Rc8 又は 1...Kd6 2.Ka4 Kd5! 2...Ra8+ はだめで 3.Kb5 Rb8+ 4.Ka6 Kd5 5.Rg4! で白が勝つ。3.Rc5+ Kd6 4.Ka5 Ra8+ 5.Kb5 Rb8+ 6.Kc4 Rh8
YKeres166F.JPG
で引き分けである。この後の方の変化は 1...Rc8 という手がいつも可能なわけではないので(例えば黒キングがd5にいる場合)重要である。

(この節続く)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2008年05月09日 09:25に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「第33回小学生将棋名人戦」です。

次の投稿は「一手一手の定跡習得(158)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。