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チェス500名局(33)

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第1部 開放型

第2章 エバンズ・ギャンビット

第33局

白 リール市
黒 パリ市
1897年

 序盤の穏やかな出だしから白はa列に有望なパスポーンを得た。この脅威を回避するために黒は欲しようと欲しまいと白ルークに7段目に侵入させて猛威を振るうことを許さなければならない。収局は痛快な立ち回りが一杯である。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.b4

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4...Bb6

 この手はギャンビットを拒否して穏やかな展開になることを望んでいる。逆襲の 4...d5 は黒が悪い。5.exd5 Nxb4 6.Ba3 となって白が良い。

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5.a4

 白は断固たる決意の下に左端での攻勢を続ける。しかし穏やかな作戦も考えられた。それは 5.c3 Nf6 6.Qb3 O-O 7.d3 d6 8.Bg5 Qe7 でジュオコ・ピアノの1変化を思い起こさせる形になり互角の形勢である。

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5...a6

 この手は白からの 6.a5 Bd4 7.c3 に備えた。同じようでも 5...a5 はあまり良くない。つまり 6.b5 Nd4 7.Nxd4(7.Nxe5 は 7...Qg5)7...Bxd4 8.c3 Bb6 9.d4 Qf6 10.Be3 で白が良い。同様に 5...Nxb4 は 6.a5 Bc5 7.c3 Nc6 8.O-O で白が優勢である。

6.c3

 慎重に手を進めている。

6...d6

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7.Qb3

 このクイーン出をさしはさんで白の主導権は維持されている。

 代わりに 7.d3 Nf6 8.O-O とうわべだけの手を指していると黒は 8...Ne7 の後 ...c6 から ...d5 で局面を支配する機会を得る。

7...Qe7 8.a5 Ba7 9.b5

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9...axb5

 9...Nd8 は 10.b6 cxb6 11.axb6 Bb8 とクイーン翼を押し込められてもっと具合が悪い。

10.Bxb5

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10...Nf6

 10...Bd7 は 11.a6 bxa6 12.Rxa6 で圧迫を受ける。本譜の手の後で 11.a6 ならば 11...O-O で大丈夫である。

11.O-O

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11...O-O

 11...Nxe4 は 12.Bxc6+ bxc6 13.Qa4 でポーンとナイトの両当たりになる。

12.Bxc6 bxc6 13.d3

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 序盤戦は白がわずかに有利で終わった。白のパスポーンは役に立たないように見えるが後になって重要になってくる。

13...h6 14.Be3 Be6 15.c4 c5 16.Nc3

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16...Nh7

 この手はキング翼攻撃を意図している。しかし 16...Rfb8 を手始めに反対翼に兵力を集中する方が賢明な策だった。

17.Nd2 c6 18.f4

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18...exf4

 黒はここで 18...f6 と受けることができた。しかし次の手を見れば分かるように黒はもっと積極的な作戦を考えていた。

19.Rxf4 f5 20.exf5 Bxf5 21.Nce4 Ng5 22.Re1 Nxe4 23.dxe4

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 大砲を隣のf列に集めるためにe列を閉じた。

23...Be6 24.Ref1 Rxf4 25.Bxf4 Rf8 26.Qg3 Bb8

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27.Rb1

 瞬く間に目標を変えたことには感心させられる。白の狙いは 28.Rxb8 Rxb8 29.Bxd6 である。27.Bxh6 は明らかにだめで 27...Rxf1+ 28.Kxf1(28.Nxf1 は 28...Bxc4)28...Qf6+ 29.Bf4 d5 で黒の勝ちとなる。

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27...Qf6

 狙われたhポーンを守りちょっとした罠(28.Bxd6 は Qd4+ で黒の勝ち)を含んでいる。白ビショップに対する狙いも持っているがそれははかなく消えることになる。

28.h4

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28...Bc7

 これで白ビショップに対する狙いは本物であると考えた。しかし実際には白はお見通しである。いずれにしても黒にとって形勢は険しくなっている。例えば 28...Qxf4 は 29.Qxf4 Rxf4 30.Rxb8+ Rf8 31.Rb6(駒を清算するのは 31.Rxf8+ Kxf8 32.a6 Bc8 33.a7 Bb7 34.Nb1 Ke7 35.Nc3 Kd7 36.Na4 Kc7 で何にもならない)31...Ra8 32.Rxc6 Rxa5 33.Rxd6 で白が駒数的に得をしている。

29.a6

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 このポーンは気まぐれに行動をおこす。29...Qxf4 は 30.Qxf4 Rxf4 31.a7 Rf8 32.Rb7 Ra8 33.Rxc7 で白の有利は動かない。

29...Rb8 30.a7

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 この頼もしいポーンは進撃を続ける。黒は 30...Rxb1+ 31.Nxb1 Qf8 とはできない。それは 32.Bxh6 でつぶれる。

30...Ra8 31.Rb7

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 良く読んである手である。要点は三つある。途中の 33.Nb3 の捌き、パスポーンが消えた後の(黒クイーンがg7の守りから離れた)34.Bxh6(即詰みの狙い)それから最後に 38.Nxc5 の後の白ナイトの大活躍である。

31...Qa1+ 32.Kh2 Rxa7 33.Nb3 Qa3 34.Bxh6 d5

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35.Rxc7 Rxc7 36.Qxc7 gxh6 37.exd5

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37...cxd5

 37.Bxd5 は 38.Qb8+ から 39.cxd5 で白が駒得になる。

38.Nxc5 Bf7 39.cxd5

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39...Qe3

 39...Bxd5 は 40.Qd8+ でビショップが取られてしまう。本譜の手の後 40.d6 は 40...Qf4+ があるので白はポーンを進められない。しかし白は全軍を動員し形勢を決める策を見つけた。

40.Nd7 Qd4 41.Qd8+

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41...Kh7

 41...Kg7 と逃げるのは 42.Qf8+ kg6 43.h5+ で白の勝ちである。

42.Qe7 Qf4+ 43.Kh3 Qf5+ 44.Kg3 h5 45.Ne5 Kg8 46.Qxf7+

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 清算を強制させる。

黒投了

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2008年05月12日 09:31に投稿されたエントリーのページです。

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