第4章 ルーク・エンディング
4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)
B ルーク+ルーク列以外のポーン
(c)2段目から6段目までのポーン
図171
白は優勢にもかかわらずここからの指し手はまだ簡単ではない。8.Kc7 は 8...Rb4 9.Kc6 Rb8 でポーンを進めることができない。ルークを動かすと黒キングがクイーン翼に寄ってくる。白が勝つためには方針を変更して白ルークをb8に持ってくる必要がある。そうなれば黒キングが十分遠くにいるので白が勝つことができる。[訳注 「b8」でなく「b1」の間違いのようです。]
8.Kc5! Rc8+
8...Kg4 は 9.Rd3! Rc8+(この手は 10.b4 を指させないため)10.Kb6 Rb8+ 11.Kc7 Rb4 12.Kc6
12...Kf4(12...Rb8 は 13.Rd4+ Kf5 14.b4 Ke5 15.Rh4 で白が勝つ)13.Kc5 Rb8 14.b4 Rc8+ 15.Kd5 Rd8+ 16.Kc4 Rc8+ 17.Kb3 Ke4(17...Rb8 なら 18.Rd5、17...Ke5 なら 18.b5)18.Rd6 Ke5 19.Ra6
で図167の分析のように白が勝つ。
9.Kd4 Rb8 10.Kc3
10...Rc8+
この手で又は前の手で 10...Kg4 とするのは 11.Rf1 で白の手助けとなるだけである。
11.Kb2 Rb8
非常に多くの手間と巧妙な手を織り交ぜて白はほぼ初めの局面に戻った。決定的な違いは黒キングがポーンから3列でなく4列隔たっていることである。これが勝利への決め手となる。
12.Rf1!
このルークはb1の地点に向かう。黒にはこれを妨げる方策はない。
12...Kg6 13.Kc3
以前のダンスの足どりの最終版の始まりである。
13...Rc8+ 14.Kd4 Rb8 15.Kc4 Rc8+ 16.Kd5 Rb8 17.Rb1!
とうとうここへやって来た。黒キングは間に合わない。
17...Kf7 18.b4 Ke7 19.Kc6
これで白が簡単に勝つ。
グリゴリエフの大変な量の分析である。しかも妙手と意表の手が一杯だった。これを採り上げたのは一見最も単純そうに見えるエンディングでも難解さが含まれているということを読者に納得して欲しかったからである。だから実戦で出会う前に研究しておくのはそれだけの理由があるのである。
(この節続く)