第4章 ルーク・エンディング
4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)
B ルーク+ルーク列以外のポーン
(c)2段目から6段目までのポーン
図173は実戦的に重要なもう一つの例である。白の駒は前の例よりも良い位置にある。しかし意外なことに黒は手番ならば引き分けにすることができる。
図173
白の手番ならば 1.e6 で勝てる。黒の手番ならば次の手順で引き分けになる。
1...Kf5
黒は今のうちにキングを自陣の4段目に持ってこなくてはならない。
2.e6+ Kf6 3.Ra6
3...Re2!
黒ルークはe列で手待ちをしなくてはならない。3...Rd1+? は 4.Ke8 から 5.e7+、3...Kg7 は 4.Ra2 で白が勝つ。
4.Rd6
4.e7+ なら 4...Kf7 で明らかに引き分けである。
4...Re1 5.Rd2
5...Ra1!
白が 6.Rf2+ から 7.e7 で勝つ手を狙っているのでこの手が唯一の手である。5...Rxe6 はもちろん 6.Rf2+ でだめである。
6.Rf2+ Kg7
これで黒は図154と同型の引き分けの局面に到達した。
図173の局面を1列左へ移動すると
次のように白の勝ちになる。1...Ke5 2.d6+ Ke6 3.Ra6 Rd2 4.Rc6 Rd1 5.Rc2 Ra1 6.Re2+ Kf7 7.d7
これで図149の型の局面に到達した。
図173の局面を1列右に移動しても結果は変わらない。しかし2列右に移動すると
黒は別の防御手段を用いなければならない。1...Kh5 2.g6+ Kh6 3.Ra6 Rg2 4.Rf6
4...Rg1? 5.Rf2 Ra1 6.Rh2+
黒キングがg5に追われるので白の勝ちになる。しかし黒には次のようなステイルメイトの手段がある。4...Rg5! 5.Rf1 Rf5+! 6.Rxf5 ステイルメイト
しかし 3...Rg5? はだめで 4.Rf6!
で黒は手詰まりに陥り白の勝ちになる。
これでルーク+ポーン対ルークのエンディングを終えることにする。この型のエンディングの重要性と比べて費やした紙数の少なさは否めない。もっと複雑なルーク+ポーンのエンディングも通常はこの基本的なエンディングのどれかに移行するので完全に理解しておかなければならない。
(この節終わり)