第4章 ルーク・エンディング
4.3 ルーク+2ポーン対ルーク
ルーク+2ポーン対ルークのエンディングは通常は白の容易な勝ちである。白は1ポーンを失わなければならなくてもその間に残りのポーンで理論的に勝ちの局面を作ることができる。黒は特別な場合だけ引き分けを期待することができる。これから分析していくのは最も実戦的な価値のある局面のうちのいくつかである。
図174 白の手番
スミスロフ対ボンダレフスキー、1940年
最初の例は非常に興味深い。白ルークが両方のポーンを守り白キングが自由に横に動けるにもかかわらず白は勝つことができない。黒は重要なバンクーラの局面(図138)を念頭において引き分けにすることができる。この間にh6のポーンは全く何の役にも立たない。
1.Kd3
白ルークが動くとすぐにどちらかのポーンが取られる。白キングがhポーンに向かうとg5かh5の地点で黒ルークのチェックで追われる。
1...Rb4 2.Kc3
2...Rf4
黒の受けの方針は簡単である。黒ルークはaポーンに対する横からの攻撃を維持する。そして白キングがaポーンに近づけばチェックして追い払う。これを問題なく行なえるようにするためには適切な列を選ばなければならない。即ちその列のどの枡からもチェックできaポーンからはできるだけ離れている方が良い。このためにはf列が理想的であることは明らかだがe列も十分aポーンから離れているので 2...Re4 も可能である。しかし 2...Rg4 はg7からチェックできないので不適である。
3.Kb3 Rf3+
白が 4.Rc6 を狙っているのですぐチェックをかけなければならない。
4.Kc4 Rf4+ 5.Kd5
5...Rb4
黒は白キングがaポーンのすぐそばを離れるまでチェックするだけで良い。5...Rf5+? は 6.Ke6 Rf4 7.a5 で黒は 7...Rf5 と指すことができない。
6.Kc6 Rf4
白の狙いは 7.a5 だった。
7.Kd7 Rd4+ 8.Kc7 Rf4 9.a5 Rf5!
すべてバンクーラの教え(図138)どおりである。
10.Kd7 Rd5+ 11.Ke7 Re5+ 12.Kf6 Rc5 13.Ra8 Rb5 14.a6 Rb6+
白は何も進展を図ることができない。後は 15.Ke7 Rxh6(15...Rc6 でも良い)16.Kf7 Rb6 17.Ra7 Kh6 18.Kf8 Rb8+ 19.Ke7 Rb6 20.Kd8 Rf6 21.Kc8
と進んだ所で引き分けが合意された。これから分かるようにバンクーラの防御法は実戦的に非常に重要である。
(この節続く)