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実戦に役立つエンディング(175)

第4章 ルーク・エンディング

4.3 ルーク+2ポーン対ルーク(続き)

 2ポーンでも必ずしも勝ちにつながらない例外的な局面は他にもまだたくさんある。その理由は白キングの位置が良くないこと、黒駒の働きが著しく活発なこと、あるいは一つのポーンがほとんど価値がないことなど場合による。このような局面のほとんどは実戦に現われることはめったにない。そこで読者にとって最も役に立つような少数の局面に注目することにする。

 二つのポーンが同じ翼のビショップ列とルーク列にある場合、意外かもしれないが理論的には通常は引き分けということになっている。しかしそのような局面の防御側は最高の正確さが要求される。ポーンがずっと先まで進んでいる時は特別で白の勝ちとなる局面が多く存在する。このようなエンディングの実際的な価値を十分に知るために最初の重要な局面である図175から少し詳しく分析してみる。

YKeres175.JPG 図175
マイゼリス、1939年

 白のキングとルークは共に活動的な位置にいるので以下のように勝つことができる。

1...Ra8

 黒がチェックをかけると白は次のような面白い手段で勝つことができる。1...Ra7+ 2.Kf8 Ra8+ 3.Re8 Ra6(4.f6 を防ぐため)4.Re7+ Kh8 5.Re6 Ra8+(6.f6 を狙われているため)6.Re8 Ra6 7.f6! Rxf6+ 8.Ke7+
YKeres175A.JPG

 黒は 1...Ra2 で手待ちをすることもできない。それは 2.f6 Ra8(2...Kxh6 なら 3.Kf8)3.Re8 Ra7+ 4.Ke6! Ra6+ 5.Kf5 Ra5+ 6.Re5 Ra1 7.f7 Rf1+ 8.Ke6 Kg6 9.Rg5+! Kxg5 10.h7
YKeres175B.JPG
となって白キングはf8へ行ってチェックを逃れることができるので白の勝ちである。

 局面をほんの少し変えて白ルークをd6に置くと黒が引き分けにすることができる。
YKeres175C.JPG
1...Ra7+ 2.Ke8 Ra8+ 3.Ke7 3.Rd8 なら 3...Ra6 である。3...Ra7+ 4.Rd7 Ra8 5.Rd8 5.f6 なら 5...Kxh6 で引き分けである。5...Ra7+ 6.Kf6 Ra1 7.Re8 Ra2
YKeres175D.JPG
この後 8.Kf7 は 8...Kxh6 と取られてしまう。

2.Re8

YKeres175E.JPG

 2.f6 は 2...Kxh6 で引き分けになってしまう。

2...Ra7+

 2...Ra6 は 3.Re1! Kxh6 4.Re6+ 又は 4.f6 で白が勝つ[訳注 4.f6 は 4...Ra7+ で白が勝てないようです]。この手順中 3...Ra7+ なら 4.Kf8 で既に出てきた変化のように白が勝つし、3...Rb6 なら 4.f6 Rb8(4...Kxh6 は 5.Rh1+ から 6.Kg7)5.Re8 Rb6(5...Rb7+ なら 6.Ke6 で既に見たように白が勝つ)6.Ke7 Rb7+ 7.Ke6
YKeres175F.JPG
これで1手目の説明のように白が勝つ。

3.Kf8

YKeres175G.JPG

3...Kxh6

 3...Ra6 は 4.Re7+ である。

4.Re6+ Kg5 5.f6 Kf5

YKeres175H.JPG

6.Rb6

 6.Rd6 Kg6 7.f7+ Kh7 8.Ke8 でも白の勝ちである。

6...Kg6 7.f7+ Kh7

YKeres175I.JPG

8.Rb8

これで白が楽に勝つ。[何か錯覚しているみたいで 8...Kg6 で 9.Rb6+ と元に戻すしかありません。正着は 8.Re6 又は 8.Rf6 です。]

(この節続く)

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2008年05月18日 09:30に投稿されたエントリーのページです。

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