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第1部 開放型
第5章 ルイ・ロペス
第105局
白 レーティ
黒 カパブランカ
(ベルリン、1928年)
前局は一つの戦法の誕生を告げた。本局は白を破局に追い込んでこの戦法の価値を立証した。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 d6 5.c3 f5
シエスタ・ギャンビットが始まった。
6.d4
白は中原で一騒動起こそうとしている。
6...fxe4
6...exd4 と取るのは 7.Bxc6+ bxc6 8.Nxd4 で白が良い。
7.Ng5
ここはきわめて重大な局面である。一本道の引き分けになるのは次の手順である(初めての例はマローツィによって示された)。7.Nxe5 dxe5 8.Qh5+ Ke7 9.Bg5+ Nf6 10.Bxc6 bxc6 11.dxe5 Qd5
(黒は巧妙に駒得を維持した。12.exf6+ なら 12...gxf6 で白のビショップが釘付けになる)12.Bh4 Ke6 13.Bxf6 gxf6 14.Qe8+ Kf5 15.Qh5+ Ke6 16.Qe8+
このように永久チェックで引き分けになる。捨て駒によるこの引き分けは「ジュオコ・ピアノ」の「メレル攻撃」を連想させる。
7...exd4
ロシアのマスターのズノスコ=ボロフスキーは 7...d5 8.dxe5 Bc5 という面白い手を考えた。
8.Nxe4
ここでは 8.Bxc6 bxc6 9.Qxd4 と単純化を図るのが必須だった。
8...Nf6 9.Bg5 Be7
10.Qxd4
この手はうかつな手だった。しかし 10.Bxc6+ bxc6 11.Qxd4 O-O でも素通しのf列のおかげで黒が陣形的に優っている。だから最善は 10.Bxf6 Bxf6 11.Qh5+ g6(11...Kf8 もある)12.Qd5 でどちらも指せる分かれである。
10...b5 11.Nxf6+ gxf6
白は3個の駒が「当たり」になっている。
12.Qd5 bxa4
黒は敵のどちらのビショップでも取れるが正しい方を取った。12...fxg5 とこちらを取るのは 12.Bb3 で駒を助けられてしまう。
13.Bh6
13.Qxc6 は 13...Bd7 で黒の勝勢になるので白は敵陣に突入しようとした。
13...Qd7
これがまさにぴったりの一手だった。当たりのナイトを守り、キングのために枡を空けて永久チェックの狙いを防いでいる。
一手ばったりのポカは 13...Bd7 で、14.Qh5# で頓死する。
14.O-O Bb7 15.Bg7 O-O-O
この手の後局面の展開が速くなる。
16.Bxh8 Ne5
これが黒の決め手である。
17.Qd1
17.Qd4 なら 17...Nf3+ 18.gxf3 Rg8+ 19.Kh1 Bxf3# で詰んでしまう。
17...Bf3
これは囲いを崩す捨て駒である。
18.gxf3
18.Qd4 なら 18...Rg8 19.g3 Qh3 で決まる。
本譜の手で白は 18...Rg8+ 19.Kh1 Qh3 20.Rg1 Rxg1+ 21.Qxg1 Qxf3+ 22.Qg2 で助かることを期待していた。
18...Qh3
黒の最後の4手はハンマーの打撃のようだった。
白投了
(19...Rb8+ と 19...Nxf3+ の両方の狙いが受からない)
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