第3章 エマーヌエル・ラスカー(続き)
これは単にシュタイニッツは盤と対局しラスカーは人間と対局したというよく知られた言説を繰り返すものではない。明らかにラスカーは誰とも同じくらい盤と対局した。彼の才能の一番の根源は驚異的な戦術の能力と、周りの者を驚愕させる局面に潜む可能性の把握である。ウィーンのマスターのルドルフ・シュピールマンはラスカーのことを次のように書いている。
『彼の目と構想はあらゆるところに及んでいる。経験からそう言える。なぜならよく彼と一緒に分析しようとしていたのだから。結果は私にとって本当に自信を失わせるものだった。私が良い構想やうまい手筋を思いつくや否やラスカーはそれを退けた。というのは彼はとっくの昔にそれを読みの中で既に捨てていたからだ。[数多くの典拠からの引用。例えばフレッド・ラインフェルド著「チェスの人間的側面」]』
(この章続く)