「Chess Life」2009年8月号(7/8)
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表紙特集
ヒカル!(続き)
「現実的には優勝する可能性はない」
ホテルに戻ってきたヒカルは結果をチェックした。何だって?シュールマンが 43...Rc6? と指したって?
中継エラーの可能性もあるので彼は観戦画面をリフレッシュしてみた。しかし間違いなかった。そしてシュールマンが投了間近だった。ヘスがあと1勝さえすれば少なくとも優勝決定戦に進むことになる。ヒカルは頭をはっきりさせるためにゲートウェー・アーチ・リバーフロント沿いに散歩に出かけた。そして結局は引き分けに落ち着くかもしれないわずかな優勢に満足するよりも、ノックアウトを目指して 1.e4 で何か激しいことをやることにその晩決めた。複数の同点1位者による優勝決定戦を避けるためにはジョシュ・フリーデルを負かす必要があった。
ヒカルはよく眠れなかった。そして午前5時まで起きていてアレクサンドル・モロゼビッチの路線をどう生かすか悩んでいた。リトルジョンが約1年前にブリッツ戦でモロゼビッチがセルゲイ・カリャーキン相手に試した2ナイト防御の 4.Ng5 戦法のある戦型を提案していたからだ。最初はクリスが冗談で言っているのかと思った。しかし日が昇る頃には白が有望であると決断した。
ギャンブルはうまくいった。ナカムラが22手でフリーデルに勝ったのは衝撃的だった。ナカムラがジョシュのクイーンを巧みに捕まえてジョシュがはやばやと負けたのを見てヘスはもちろんがっかりした。彼は勝たなければ2位になる立場に追い込まれた。「頑張っていましたがどのみちずっと引き分けでした。」あとで彼は私とジェニファーにこう言った。「彼の方にあの 42...b5 突きがなければもうちょっと難しかったかもしれません。でも彼が 42...b5 を見つけたので完全な引き分けです。」
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(この号続く)