第3章 エマーヌエル・ラスカー(続き)
シュタイニッツはチェス一筋の人生だったが新チャンピオンは多くのさまざまなことに興味を持っていた。次の7年間にほぼチェスから引退していたのは興味の一つの数学に没頭するためだった。その間に参加したのは1899年のロンドンと1900年のパリの2大会だけでどちらも優勝した。ラスカーの伝記作家(『エマーヌエル・ラスカー あるチェス名人の生涯』の著者のジャック・ハナク)は彼を多彩な天才として描写しようとした。ラスカーは数学と哲学の思索からチェスを指すために時間を割かなければならないことをひどく呪うこともあった。彼にとってチェスは詰まるところ生活の手段だった。実際のところ数学では豊かな才能があり彼の研究は友人たちによって尊重されていた。友人の一人のアルベルト・アインシュタインとは議論したことがあった(これに対して彼の哲学の業績は大部の『未到の哲学』にほぼまとめられているがほとんど無視されている)。しかし彼が偉業を成し遂げたのはチェスだけである。
(この章続く)