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チェス500名局(108)

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第1部 開放型

第5章 ルイ・ロペス

第108局

白 ビナベル
黒 エングリシュ
(ロンドン、1883年)

 本局にまざまざと描かれているのは敵の要塞に侵入する技法である。一旦立てられた作戦が実現するまでに長い手数を要したということは問題がそもそも難しかったということを物語っている。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Bxc6

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 この「交換戦法」は布局の神秘を単純化によって解決しようとするものである。

4...dxc6

 4...bxc6 は本筋の手ではない。本譜の手は二重ポーンの代償を素通しのd列とクイーン翼ビショップの活動で得ようとするものである。

5.O-O

 周知のように 5.Nxe5 でポーン得することはできない。5...Qd4 またはもっと厳しく 5...Qg5 で咎められる。

5...Bg4

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 黒はこの手で主導権を握ろうとしている。

6.h3 Bxf3

 しかし黒はもうそれを放棄してしまった。主導権を握ろうとするなら 6...h5 7.d3(7.hxg4 は 7...hxg4 8.Nxe5 Qh4 9.f4 g3 で明らかにだめである)7...Qf6 と指すべきだった。

7.Qxf3 Qd6 8.d3

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 キャッスリングは反対側になるが局面は穏やかな進行をたどっている。

8...f6 9.Nd2 O-O-O 10.Nc4 Qe6 11.Qg3 g5 12.a4 b6

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 黒は 13.a5 で押さえ込まれないようにしなければならない。本譜の後 13.a5 なら 13...b5 でクイーン翼の列は閉鎖されたままである。

13.Be3 Ne7 14.f3 Ng6 15.Qe1 a5 16.Qc3 Bb4 17.Qb3 Qe7 18.g3 h5 19.Kg2 h4 20.g4

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 白もキャッスリングした陣形が安全に閉鎖されたままになるように気をつけた。

20...Rhe8 21.Kh2 Nf8 22.c3 Bc5 23.Rad1 Ne6 24.Qc2 Bxe3 25.Nxe3 Qc5 26.Nf5 Rd7 27.Rd2 Red8 28.Rfd1 Nf4

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 黒もうまいことナイトをこの橋頭堡に据えたが残念ながらその圧力を支援する他の駒の協力がない。

29.d4

 ぴったりのタイミングで白は弱点の出遅れポーンを中原での強力なてこに変えた。

29.Qc4 30.d5

 このポーン突きは戦術上の策略で、30.b3 Qf7 よりも黒にとって嫌な手である。

30...cxd5

 一刻も早く二重ポーンを解消したいのはよく分かるが、まず 30...Kb8 としておくのも一理あった。

31.exd5

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31...Kb8

 この手は 32...Rxd5 が狙いである。ここですぐに 31...Rxd5 と取るのは 32.Ne7+(31...Nxd5 でも 32.Rxd5 Rxd5 33.Ne7+[訳注 これは黒勝勢になるので正着は本譜のように 32.Qe4 です])とされるのでまだ時期尚早である。

32.Qe4

 これは気のつきにくい受けである。代わりに 32.d6 は 32...cxd6 33.Nxd6 Rxd6 34.Rxd6 Rxd6 35.Rxd6 Qf1
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となって黒の狙いが強烈である。

32...Qxe4

 32...Qc5 と交換を避けると 33.c4 Qb4 34.Qc2 となる。しかし 32...Qb3 も考えられた。

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 クイーン交換の後両者とも勢いが落ちたようである。そしてここから長期に渡る「消耗戦」が始まる。

33.fxe4 Kb7 34.Rf2 c6 35.c4 c5 36.Ne3 Re8 37.Ra1 Rf8 38.Ra3 Rc8 39.Rb3

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 これはいわば山の上に据えられた大砲である。

39...Rf8 40.Nc2 Ra8 41.Kg1 Re8 42.Kf1 Ra8 43.Rff3 Re8 44.Ne3 Rf8 45.Nf5 Re8 46.Rb5

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 黒は狭い自陣内で守勢一方に追い込まれているのに対して白の駒は驚くほど動き回っている。ここからの白の狙いは 47.Rfb3 だけでなく 47.b4(47...axb4 なら 48.a5、47...cxb4 なら 48.c5)もある。

46...Ka7

 黒は 47.Rfb3 に対して 47...Rb8 の受けを用意した。

47.b4

 これは敵の防波堤をばらばらにするためのポーン捨てである。ここから劇的な展開が続いた。

47...axb4

 プロブレム作家の用語では 47...cxb4 48.c5 は「鏡像変化」ということになる。

48.a5

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48...Rb8

 黒は裂け目をふさごうとした。代わりに 48...bxa5 は 49.Rxa5+ Kb6 50.Rb5+ Kc7 51.Rxc5+ Kd8 52.Rb3 で黒の最期が早く来る。

49.Rb3 Rc7 50.Rb1

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50...Rd7

 50...Nxh3 は 51.Ra1 から 52.axb6+ Kb7 53.Nd6# の狙いがある。

51.Ra1 Rbb7 52.axb6+ Kb8 53.Ra6 Rd8 54.Rxc5 Nxh3

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 黒はいまわのきわに追い詰められた。

55.Rca5 Kc8 56.c5 b3 57.c6 b2

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58.Ra8+

 または「双対」の 58.Ne7+ から 59.Ra8# でも詰みになる。

58...Rb8 59.Ne7#

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2009年10月19日 08:59に投稿されたエントリーのページです。

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