「唐沢!一杯やってくか?」
「ああ・・・・いいですよ」
「高村!お前も来るか?」
「はっ、はい!」
「さてと。それじゃあ、乾杯!」
「乾杯」
「おつかれさんです!」
「ぷわー!!んん?高村、なにしてるの?」
「いやあ、今日の三局目を検討しようと思いまして」
「お前なあ!いくら何でも、そのチェスセットは大きすぎるよ!こっちにしろ」
「ああ、ありがとうございます」
「それだったら、目立たないから」
「う~ん、こういうの、一個欲しいですねえ」
「二セット買っとくんだよ!!」
「予備でね、失くしたときのために。俺もそうしてるよ」
「ああ、なるほど」
「外に持ち歩くとな、いくら気をつけてても、ピース失くしたりするんだよ!」
「郡山さん!俺なんか、前泊した(大会などの前日に試合会場近辺に宿泊すること)ホテルに携帯セット丸々置き忘れたことがありましたからねえ」
「俺も一回やったよ!まあ、俺の場合はネットカフェだけど」
「一局目が終わってから気づいたからなあ。あのときは、顔面蒼白になったなあ」
「俺も、郡山さんや唐沢さんみたいに、あっちこっち遠征する実力をつけないとなあ」
「そんなの関係ないよ!!時間に余裕があるんだったら、どんどん行け!!」
「高村君、もう少し頑張ったら、俺なんかには、すぐに勝てるようになるよ!!」
「まだ唐沢さんはキツイなあ。郡山さんだったら、ともかく」
「おい!それは、どういう意味だ?」
「唐沢さん、さっきの局なんですけど」
「何かな?」
「おい!高村!!」
「唐沢、電車、大丈夫か?」
「そろそろ行きます」
「唐沢さん、あとでメール送りますね」
「うん。じゃあ、おつかれさま」
「おつかれ~」
「おつかれさまです」
「唐沢さん、だいぶ元気になったみたいですね」
「・・・・どうかなあ?」
「以前に比べたら、全然違ってましたよ?」
「俺たちに気遣ってたんじゃないか?」
「まさか唐沢さんみたいな良い人が、奥さんに逃げられちゃうなんてねえ・・・・」