2008年04月30日

第41回全日本チェス選手権全国大会・2日目のりんりん

3R 白・N.E.戦
 カロカンにパノフ・ボトビニクアタックで対抗したものの、肝心なIQPをかすめとられてしまう。途中そこそこいい手もさせたのだが、N+5Pvs.B+6Pのエンドゲームで寄り切られて敗戦。

4R bye


 今回の大会では、1Rだけ上位20人と下位20人に分かれての加速スイス式、それ以降は普通のスイス式による組み合わせです。 また、同点者が奇数人いるときには、レート最下位の人を直下の点数の人と対局させているようです。 組み合わせにはスイスペアリングが利用されています。
 持ち時間は90分+30秒フィッシャーです。

2008年04月29日

第41回全日本チェス選手権全国大会・1日目のりんりん

1R 黒・S.H.戦
 スラブの序盤を間違えてポーンダウンし、その後Sさんの激辛ポジショナルプレーを喰らい、33手で圧殺される。

2R 黒・M.T.戦
 ほぼ互角の中盤から白ナイトvs黒2ポーンの交換損になり、そのまま終盤に突入。キング翼にポーンを集めてドライビングモールを形成するが、ステイルメイトになるものと勘違いしたために、白に止められないパスポーンを作られたため、61手でリザイン。

2008年04月18日

第4章 ポーンをクイーンにする (1)

 エンドゲームにおいては、たった1個の「しがない」ポーンが勝負を決定付けることがあります。というのも、それがクイーンになると、チェックメイトにできるだけの戦力的優位がもたらされるからです。

 この章では、各種ピースを伴う状況で、ポーンをいかにして前進させ、プロモーションさせるか、いつポーンをプロモーションさせるのが良くて、いつがよくないのか、どんな要素がプロモーションに利するのか、そうでないのか、といったことについて、われわれの分析を紹介します。

キングとポーン対キング

 キングがポーンの通り道になるマスに居座っている、つまり我々がよく言うところの、キングがポーンをブロックしているときが、キングがポーンに対抗しているときの最善の形です。しかしながら、キングはいつまでもそのマスにとどまることはできません。自分の手番になると1歩退却し、マスをあけて、ポーンに通り道を譲らざるを得なくなるのです。そして、44のように、守備側のキングが後退できない状況になるまで、キングの掩護を受けているポーンは前進を続けます。

figure44.JPG 44

 44では、お互いに典型的なツークツワンクの状態にあることがわかります。双方とも、手番を持っていると都合が悪いのです。白は1.Kc6と指さざるを得ないでしょうが、ステイルメイトとなって引き分けを認めることになりますし、黒の手番なら1...Kb7を強制され、それに対して2.Kd7とされて、クイーンを作られてしまうからです。つまり、ポーンを進めている白は、黒の手番になるように44の局面に持ち込まなければならない、逆に黒はこの局面で白の手番になるように指さなければならないのです。

2008年04月07日

第3章 ピースとポーンによる戦い (12)

(前回からの続きです)

 もう一つ、重要な引き分けの局面をお示しします。

figure41.JPG 41
 再び、白キングの通り道を横切るように、障壁が形成されています。この図のd5, d6, d7, e7のマスには行けませんから、白キングはe5-d4-c5-c6-b7かf7-e8-d8-c7-b7か、いずれかの遠回りの道をとらなければなりません。どちらの場合でも、b7の地点に達するまでには5手かかりますし、その間に黒も十分な時間が取れますので、ナイトをa8の地点で捨てて、黒キングをc7のマスに置いてステイルメイトの局面にすることができるのです。

 この2つの局面に慣れてしまった方なら、次のスタディは難しくはないでしょう。
figure42.JPG42 (N. Grigoriev, 1932)
 どうやって、白は引き分けに持ち込みましょうか?ナイトは1.Ng6 h3 2.Nf4 h2 3.Ne2+ Kd2 4.Ng3Ke1 5.Kd6 Kf7とすると黒が勝ってしまうので、直接的な方法ではポーンを捕まえることはできません。
 しかし、ポーンを捕らえるために、黒キングの一を利用することはできないのでしょうか?この考え方を知っていれば、皆さんは、ナイトの正確な動きを簡単に見つけ出すことができます。

 この局面から、1.Nf7 h3 2.Ng5 h2 3.Ne4+です。これで白は4.Ng3や4.Nf2で、ポーンをとめることが可能になります。正しい指し手の選択は、黒キングの方向によって決まります。つまり3...Kd3なら.Ng3!が絶対手で、3...Kd4なら、単に4.Nf2!で十分です。両方とも相手キングからポーンへの道に、障壁を張っています。

 けっきょく、黒の最善の作戦は、すぐに迂回を始めること、すなわち3...Kc2と指すことです。もし白がすぐに4.Nf2と応じたら、4...Kd2 5.Kd6 Ke2 6.Nh1 Kf3 7.Ke5 Kf2で、白が負けてしまいます。しかし、4.Ng3! Kd1 5.Kd6 Ke1 6.Ke5 Kf2 7.Kf4と続けると、白はナイトの救助に間に合い、引き分けに持ち込むことができます。

 読者の皆さんは、ナイトがポーンに対していつも受け身に立たされているわけではないということを知って、面白いと思ったのではないでしょうか。もし、端のポーンの場合で、相手のキングがボードの隅にいて、自分のポーンが進路を塞いでいるときには、その周りにメイトの包囲網を張ることもできます。

 次の図は、例外的な局面のひとつです。
figure43.JPG 43
 この局面は、はるか12世紀から知られているものです。白は1.Nb4+ Ka1 2.Kc1 a2 3.Nc2#の3手でメイトにできます。

2008年04月05日

第3章 ピースとポーンによる戦い (11)

(前回からの続きです)

 ナイトには、ほかにも知っておくとよい特徴があります。それは、相手キングの通り道に対して横切るように、障壁を設けることができる、というものです。

figure40.JPG40
 上の図は、あらゆるエンディングの関連書の中で、基本的なポジションとしてごらんになったことがあるでしょう。白のポーンはプロモーション直前です。黒のキングはポーンから遠くはなれ、明らかにナイトを掩護することはできません。従って、ナイトは掩護を受けていないポーンと戦わなければならないのですが、単騎では、7段目にいる端のポーンに対抗することはできません。白がナイトを攻めてポーンの周りから追い出し、最後にはポーンをクイーンにするのです。

 上に述べたことは、「しかし」と呼べるものがなかったら成り立つ話です。つまり、「しかし」白キングの通り道に張ってある障壁のおかげで、ポーンまでの道のりが長くなっていることは間違いありません。実際、盤面をよくよく見ると、白がナイトを直接攻めることができないことがわかってきます。すなわち1.Kd6ならば1...Nb5+で2...Nxa7となります。d4, d5, d6, e6のマスには白キングが移動することができず、キングの通り道にある障壁となっています。けっきょく、白キングはポーンのところに行き着くまでに長くて遠回りになる道を通らなければならず、その間に、黒キングがナイトの掩護に駆けつけることができます。

 40の局面から1.Kf6 Kg3 2.Ke7 Kf4 3.Kd7 Na8 4.Kc8 Ke5 5.Kb7 Kd6と進みます。ナイトは自らを犠牲にして、白キングを「牢屋」に閉じ込めます。
 そして、6.Kxa8 Kc7でステイルメイトです。

                                     (この項続きます)

2008年04月02日

第3章 ピースとポーンによる戦い (10)

(前回からの続きです)

 まず1.Nc7+! です。ナイトの位置を修正して、相手キングの位置に狙いをつけます。
 これに対して1...Kc4! は、疑うまでもなく、白に対してもっとも危険な応手になります。1...Kd4では、白が2.Kg2でキングを移動させられるので、2...b3としても3.Nb5+から4.Na3と続けられます。また1...Kc6なら、白は2.Ne6 Kb5 3.Nd4+ Kc4 4.Nc6! b3 5.Na5+までです。

 白の2手目は2.Ne8!です。注目すべき手です!ナイトはポーンから遠くに行っているように見えますが、実はそうではありません。ナイトは再び戻ってくるためだけに、いったん前進しているのです。このe8のマスは重要な焦点です。白は黒のキングの位置によって、b1に至るナイトの道順を選んでいます。それはe8-c7-b5-a3かe8-f6-e4-d2のいずれかです。もしここで2...b3と指したら、3.Nd6+ Kb4 (3...Kd3では4.Nb5 b2 5.Na3) 4.Ne4 b2 5.Nd2と続きます。このようなことから、黒のキングは、白ナイトをd3のマスから排除しなければならないのです。

 黒の2手目からは2...Kc5 3.Nf6! Kd4 4.Ne8!で、ふたたび焦点のマスに行きました。
 続いて4...Ke5です。4...b3だと白は5.Nd6 Kc3 6.Ne4+! Kc2 7.Nd6! b2 8.Nc4! です。

 白5手目からは5.Nc7! Kd6 6.Ne8+と続きます。これは引き分けにする絶対手です。ナイトをポーンに向けて動かすと、負けてしまいます。6.Nb5+? Kc5 7.Nc7 b3 8.Ne6+ Kc4で、ポーンがプロモーションします。
 6...Kc5 7.Nc6! Kd4 8.Ne8! b3 9.Nd6 Kc3 10.Ne4+! Kc2 11.Nd6! b2 12.Nc4! b1=Q 13.Na3+で引き分けです。

 ナイトは芸術家を思わせるような能力を見せてくれました。読者の皆さんは、このスタディを、ぜひとも注意して試してみてください。

2008年03月31日

第3章 ピースとポーンによる戦い (9)

(前回からの続きです)

次の例は、ナイトが遠くにあるポーンを取る方法を示しています。

figure37.JPG 37
 ポーンの前進を止めるためには、ナイトはb7かb8のいずれかのマスに達していなければなりません。37の局面では、相手キングが邪魔をしているので、ナイトは右からポーンに近づいていくことはできません。従って、ポーンの左に回りこまなければならないのです。すなわち、1...Nd3! 2.b6(もし2.Kd5ならば2...Kf3 3.Kd4 Nf4 4.b6 Ne6+ から5...Nd8です) 2...Nb4 3.b7 Na6で引き分けです。

 時々、ナイトがポーンに追いつく時間がなさそうに見えるときがありますが、そのときは相手キングが助けてくれることもあります。

figure38.JPG 38
 38の局面では、黒は次のようにしてピンチを脱します。
 1...Nd3 2.b7 Nc5 3.b8=Q Na6+で引き分けです。白のキングの位置が、黒を手助けしているのです。黒キングがどこか目立たない場所にいてくれたら、ポーンは安全にクイーンに昇格できたはずなのです。

 読者の皆さんは、このナイトが持つ大事な能力―つまりチェックで必要な手数を稼ぐ能力―が、役に立つことにお気づきになるでしょう。次のスタディは、ナイトの可動性を見事なまでに表現しています。

figure39.JPG39
 白のキングははるか遠くにいますので、ナイトは単騎で相手の駒と戦わなければなりません。キングを加勢に行かせようとしても、失敗します。例えば1.Kg2 Kc5 で2...b3とされた後、ナイトはポーン周囲から追い出され、ポーンの前進を阻止できなくなります。
 この局面を基本的な要素に分解して考えてみましょう。黒のポーンがb2に達したとき、白ナイトはa3, c3 d2の3つのうちいずれか1つのマスにいれば、白は引き分けに持ち込めます。しかし、どうやったら、それが実現できるのでしょうか?

                                        (この項続きます)

2008年03月27日

第3章 ピースとポーンによる戦い(8)

(前回からの続きです)

 パスポーンを相手にするうえでは、ナイトはビショップよりも扱いにくくなります。さらに、パスポーンがキングに掩護を受けていれば、引き分けになるかが基本的な争点になります。ナイトが単騎でポーンと戦わなければならないときには、ナイトのこなすべき仕事はなおさら複雑です。ビショップと違って、ナイトは遠方からポーンの前進を止めることはできません。
 残っているポーンが端のポーンでなければ、キングの掩護が無くとも、ナイトは8段目のマスを占拠して7段目のポーンを止めることができます。

figure34.JPG
34
 34の局面から、ゲームは1.Kd6 Nb8 2.Kc7 Na6+ 3.Kb6 Nb8と続きますが、白のキングがナイトをポーンの周りから排除できないのは明らかです。

 しかし、端のポーンが残っている場合には、ナイトが退却する場所がないので、結果としてナイトが取られてしまい、負けてしまいます。

figure35.JPG 35
 35から1.Kc6 Na8 2.Kb7と進んだら、白はナイトを取り、ゲームも勝ちます。ただし、端のポーンがまだ6段目にいるのなら、単騎であろうとなかろうと、ポーンに対抗できます。

figure36.JPG 36
 36から、白がどんな手を指しても、ナイトをポーンの周りから排除することはできません。例えば、1.Kc5 Na7 2.Kb6 Nc8+ 3.Kb7 Nd6+ 4.Kc7 Nb5+ 5.Kb6という手順があります。
 一見すると、白はナイトを排除できたかに見えますが、黒は5...Nd6! と応じ、6.a7に対して6...Nc8+と指されたら、白は不満です。黒がうまく防御できるのは、このような狙いがあるからです。ポーンの周りを「跳ね回る」ことで、ナイトはポーンの前進を阻むことができます。効果的に「狡猾な」フォークがかけられるというナイトの能力が、このようなエンディングでは重要な戦術的要素になります。

                                            (この項続きます)

2008年03月22日

第3章 ピースとポーンによる戦い (7)

マイナーピース対ポーン

マイナーピース対ポーンの駒割りでの戦いは、通常引き分けに終わります。キングがどこからピースを掩護しているかで、結果は予測できます。読者のみなさんは、マイナーピースが、掩護のないポーンと戦わなければならない局面に、関心を持って見てください。

 ビショップ対ポーンの場合と、ナイト対ポーンの場合に分けて見ていきましょう。

ビショップは射程距離が長いので、離れたマスからの攻撃で、ポーンの前進を止められます。従って、相手キングや自軍のキングが利き筋を邪魔している場合を除いて、ビショップはポーンを制することができます。

figure33.JPG33
 33の局面から黒が引き分けに持ち込むには、ビショップをa7-g1の斜め筋にあるどれかのマスに置けばよいのです。しかし、白が1.Ke4として1...Bh4と応じ、2.Kf3と続けると、黒はポーンを止められなくなります。もし黒のキングがビショップの動きを邪魔してしまうf6の位置ではなく、仮にg6の位置にいたならば、1.Ke4 Bd8 2.a6 Bb6で、引き分けに持ち込めたでしょう。

 33の局面は珍しい例外のひとつであり、実戦ではポーンが前方にいない限りは、ビショップはポーンの前進を阻むことができます。

2008年03月20日

第3章 ピースとポーンによる戦い (6)

(前項からの続きです)

figure31.JPG 31
 31の局面では、白キングがすぐに相手ポーンに近づいていっても、何も得るものはありません。1.Kf7 e4 2.Ke6 e3 3.Kf5 e2 4.Kf4 Kd3 5.Kf3の後、黒は5...Kd2と大事なテンポ取りの一手を指します。また、この手は白ルックが望ましくないマスにいることを利用しているのです。従って、ゲームは引き分けに終わります。

 しかし、まず1.Rd1+! Kc3 2.Re1! と指すと、白はテンポをとりながら、良い位置にルックを移動させることができます。それから2...Kd4 3.Kf7 e4 4.Ke6 e3 5.Kf5 Kd3 6.Kf4 e2 7.Kf3で白勝ちです。
 ひとつのテンポですべてが決まりました!テンポをとる可能性は、このようなエンディングにおいては極めて重要です。

 最後に、キングとルックの位置取りが悪い例を見てみましょう。
figure32.JPG 32
 32において、黒はポーンと対抗しているのですが、キングがルックの邪魔をしていて、このせいで黒が負けてしまいます。

 まず1.d7 Rg6+です。黒はポーンを止めることができませんから、残された唯一の手段はチェックをかけることです。
 これに対して2.Ke5! です。ルックによるチェックは、最初にぱっと見たときには無害に思えますが、決してそうではないのです。白は正確に指さなければなりません。2.Ke7では2...Rg1! 3.d8=Q Re1+ 4.Kd7 Rd1+で引き分けになります。だからといって2.Kd5でも2...Rg1とされて、3.Rd1+を狙われます。
 黒2手目からは2...Rg5+ 3.Ke4 Rg4+ 4.Kd3 Rg1 5.Kc2と進んでいきます。白のキングはどこへ行っているのでしょう?白キングがc2の位置でチェックを防いでいるのは、簡単にわかります。しかしdファイルを横切るときには注意をしなければなりません。そうしないと黒ルックにdファイルに到達するのに必要なテンポを与えてしまい、黒にピンチを切り抜けられてしまいます。
 黒の5手目からは5...Rg2+ 6.Kc3 Rg3+ 7.Kc4 Rg4+ 8.Kc5 Rg5+ 9.Kc6 Rg6+ 10.Kc7と進み、ポーンをクイーンにすることができます。