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2007年12月 アーカイブ

2007年12月01日

第1章 裸のキングをメイトにする(3)

ルックでメイト

 この場合にも、まず黒のキングをボードの端に追い込まなくてはなりません。この作業はキングとルックが協力しないといけません。

ending2.jpg
 上掲したの局面から、1.Kb2 Kd4 Kc2 Ke4 3.Kc3 Ke5 4.Kc4 Ke4と進めます。黒4手目の局面のようにキングが対面して立っている場合には、白はルックでチェックをかけて、相手のキングを後退させることができます。

 5.Re1+ Kf5 6.Kd4 Kf4 7.Rf1+ Kg5 8.Ke4 Kg6 9.Ke5 Kg5と進みますが、ここで9...Kg7としても10.Ke6 Kg8 11.Ke7 Kg7 Rg1+となって、黒キングがボードの端に拘束されてしまいます。この後は10.Rg1+ Kh4 11.Kf5 Kh3 12.Kf4 Kh2 13.Kf2 Kh1 14.Kf3 Kh2 15.Kf2 Kh1 16.Rh3#までです。

 ルックを用いた場合、16手以内で裸のキングをメイトにすることができます。

2007年12月04日

第1章 裸のキングをメイトにする(4)

2個のビショップでメイト

 2個のビショップを使ってメイトにするためには、相手のキングをボードの端に追い込むだけでなく、ボードの隅に追い込むことも必要です。この場合も、戦力を協力させながら使うことで目的を達成することができます。

figure3.jpg

 
 の局面から、1.Kf2 Kd4 2.Bf3 Kd3 3.Be5 Kd2 4.Be4 Kc1 5.Ke3!と進めます。裸のキングを追い詰めるときには、相手のキングが退却できるマスもあるかどうかに注意してください。5.Ke2??と指すと、ステイルメイトで引き分けです。

 黒の5手目からは5...Kd1 6.Bb2 Ke1 7.Bc2 Kf1 8.Kf3 Kg1と進めます。8...Ke1ならば9.Bc3+ Kf1 10.Bd3+ Kg1 11.Kg3 Kh1 12.Bd2 Kg1 13.Be3+ Kh1 14.Be4#です。
白の9手目からは9.Bf5 Kf1 10.Bc3 Kg1 11.Kg3 Kf1 12.Bd3+ Kg1 13.Bd4+ Kh1 14.Be4#でメイトです。

2007年12月08日

第1章 裸のキングをメイトにする(5)

ビショップとナイトでメイト

 ビショップとナイトによるメイトは、いままでの場合よりもはるかに複雑です。メイトに持ち込むまでにはおよそ35手を要します。現在のルールではメイトにするまでの手数が50手までと制限されていますから、ビショップとナイトによるメイトでは、正確な指しまわしが求められます。
 
 このエンディングでは、勝ちまでの過程を3段階に分けることができます。最初に相手のキングをボードの端に誘導すること、それからビショップと同じ色の隅に誘導すること、最後にメイトにすることです。
まず、どうやったらボードの隅でのメイトが達成できるかを、お示しすることから始めます。
figure4.JPG

 黒のキングは、すでに目標となる隅に追い込まれていて、逃げ出すことができません。ここでピースが協力している様子に注意してください。一方がもう片方を補助しています。ナイトがb6とc7の黒マスを、またビショップがa6とc6の白マスを、そしてキングがd8のマスを支配しています。この状態からなら、9手以内でメイトに持ち込めます。
 
 例えば、4から黒番として、1...Ka7 2.Kd7 Kb7 3.Kd8 Kb8 4.Ba6! と続けます。この時点でキングの行動範囲はまだ制限されています。
 4...Ka7 5.Bc8 Kb8 6.Nb4 Ka7 7.Kc7 Ka8 8.Bb7 Ka7 9.Nc6#
 
 守備側のキングは、攻撃側のビショップが利いている色の隅のマスでしかメイトにされません。したがって、もちろん守備側は、後退するときに反対の隅、つまり安全な隅に逃げ込もうとします。結局、いかに相手のキングを片方の隅から反対側の隅へと誘導するか、その方法を知ることがとても重要になってきます。
                                                (この項続く)

2007年12月11日

第1章 裸のキングをメイトにする (6)

(前項から続きます)

 次の図は、その典型的な局面です。

figure5.JPG

 からは1.Nf7+ Kg8 2.Bf5 Kf8 3.Bh7 Ke8 4.Ne5 Kd8!と進みます。黒の4手目は一番積極的な受けの手です。黒はa1の地点に追われることを願っているのです。4...Kf8とすると、5.Nd7+ Ke8 6.Ke6 Kd8 7.Bd3 Kc7 (7...Ke8なら8.Bb5 Kd8 9.Nb6 Kc7 10.Nd5+と進んで、同じことになります) 8.Bb5 Kd8 9.Nb6 Kc7 10.Nd5+ Kd8 11.Kf7 Kc8 12.Ke7 Kb8 13.Kd7と進んでいきます。これで白はすでに述べた要領で黒キングをメイトにできます。

 白の5手目からは、5.Ke6 Kc7 6.Nd7! Kb7 7.Bd3! (6...Kc6と応じても7.Bd3とするでしょう) Kc6 8.Ba6 Kc7 9.Bb5 Kd8 10.Nb6 Kc7 11.Nd5+と進めていきます。白が正確に指し進めると、黒のキングの逃走経路を断つことができ、9手以内でメイトにできる局面まで持ち込むことができます。

 相手のキングをボードの端から端へ移動させる方法は、1777年に、有名なフランス人プレーヤー・A. フィリドールが指摘したものです。

                                           (この項つづきます)

2007年12月17日

第1章 裸のキングをメイトにする (7)

(前回からの続きです)

figure6.JPG 6
の局面では、黒は「意固地になって」抵抗を試みます。
1...Ke8 2.Nf4 Kd8 3.Ke5! と進めます。白は、相手のキングが少しくらい自由に動けたとしても、気にすることはありません。一時的に自由になっているだけで、a1の地点に到達できるものではありません。
3...Kc7 4.Kd5 Kb6 5.Bd7! この手がポイントです。これで黒のキングの逃げ道が遮断されます。
5...Ka5 6.Kb5 Ka6 7.Kb4 Kb6 8.Nd5+ Ka6 9.Bc8+ Ka7 10.Kb5と進んでいくと、残りは簡単です。読者の皆さんの練習として、この局面からメイトにしてみるとよいでしょう。

                                               (この項続きます)

2007年12月20日

第1章 裸のキングをメイトにする (8)

(前回からの続きです)

 続いて、相手のキングをどうやってボードの端に追い込むのかを考えてみましょう。
figure7.JPG

 白の戦力はすでに戦闘配置についていますので、ここから追い込みをはじめます。
から1.Bd3 Kf6 2.Kd5 Kf7 3.Ke5 Kg7 4.Ke6 Kf8 5.Kf6 Ke8 6.Ne5 Kf8と進めていきます。6...Kd8とすると、7.Bb5! Kc7 8.Nc4で、黒のキングの逃げ道がなくなり、a8のマスへ誘導されてしまいます。

 7.Bc4 Ke8 8.Bf7+ Kd8 (8...Kf8は9.Ng6#で間違いです) 9.Ke6! Kc7 10.Be8! 白の最後の2手で、黒キングには多少の逃げ場所ができますが、ボードの隅からはもはや逃れることができません。
 10...Kb6 11.Kd6 Ka5 12.Kc5まで進むと、残りは一直線です。この後の手順は読者の皆さんに考えていただきます。

 黒のキングがh1のマスに向かおうとしたなら、白はその場所に閉じ込めてしまうべきでしょう。例えば、2...Kg5 3.Ke5 Kg4 4.Bc2 Kh4 (4...Kf3は5.Bd1+と進路を寸断される手で対応されます。もし、4.Kg5なら5.Ne3 Kh6 6.Kf6 Kh5 7.Bg6+ Kh4 8.Kf5 Kg3 9.Bh5 Kf2 10.Kf4 Ke1 11.Nf4となって、黒キングは安全なa1へ到達することができなくなります) 5.Kf5 Kh5 (5...Kg3なら6.Bd1 Kf2 7.Kf4) 6.Ne5 Kh6 7.Kf6 Kh5 8.Bg6+ Kh4 9.Kf5 Kg3 10.Bh5 Kf2 11.Kf4 Ke1 12.Nf4と進めていけば、黒の逃走経路は寸断されます。

 基本的に、キングとビショップで相手のキングをボードの端に退却させます。ナイトは時々プレーに参加して、相手のキングから大事なマスを奪ってしまうのです。

2007年12月31日

第1章 裸のキングをメイトにする(9)

2つのナイトでメイト

 正確な受けの手を指されてしまったら、ナイト2個では相手キングをメイトにすることはできません。
figure8.JPG

 つまり、の局面では1.Nf6+に対して1...Kh8と指すと2.Nf7#でメイトにされてしまうので、1...Kf8と応じ、キングを危険なボード隅から避難させます。もし白が1.Ne6と指してキングの逃げ道をふさぐと、1...Kh8とされてメイトに持ち込むことができません。実際に、黒のキングをg8の地点でメイトにするためには、白は一方のナイトで(e7, f6, h6のいずれかから)チェックをかけ、黒キングがh8の位置に来たところで、もう一つのナイトを使ってf7の地点から最後のチェックをかけなければなりません。f7の位置からのメイトが可能なナイトは、移動前にf8のマスを支配しなければならないので、必然的にd7, e6, h7のいずれかのマスにいなければなりません。しかし、黒のキングが動けなくなってステイルメイトになるため、白にはナイトをf7の位置に移動させるだけの十分な時間がないのです。

 黒がポーンを1個でも持っていれば、話は別です。この場合は白に都合がよいのです。つまり、ステイルメイトにはならず、白にはメイトに持ち込む時間ができるのです。

 黒にポーンが1個あるような局面では、黒キングがちゃんと隅のマスにいない場合でも、白が勝てます。このまれなエンディングの理論は、プロブレム作成の先駆者であるA. トロイツキーによって完成されたもので、初心者には難しすぎます。ここでは、いかにして黒のキングが隅のマスにいったとたんにメイトになるのかを理解するために、一つだけ局面の例を見てみましょう。
figure9.JPG

 1.Ne4 d2 (1...Kh8 2.Nf6 d2としても同じことです) 2.Nf6+ Kh8 3.Ne7 d1=Q 運命の皮肉というものですね!黒はクイーンを作ることができましたが、メイトにされてしまいます。つまり4.Ng6#までです。


                                           (第1章ここまで)

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