(前項からの続きです)
31
31の局面では、白キングがすぐに相手ポーンに近づいていっても、何も得るものはありません。1.Kf7 e4 2.Ke6 e3 3.Kf5 e2 4.Kf4 Kd3 5.Kf3の後、黒は5...Kd2と大事なテンポ取りの一手を指します。また、この手は白ルックが望ましくないマスにいることを利用しているのです。従って、ゲームは引き分けに終わります。
しかし、まず1.Rd1+! Kc3 2.Re1! と指すと、白はテンポをとりながら、良い位置にルックを移動させることができます。それから2...Kd4 3.Kf7 e4 4.Ke6 e3 5.Kf5 Kd3 6.Kf4 e2 7.Kf3で白勝ちです。
ひとつのテンポですべてが決まりました!テンポをとる可能性は、このようなエンディングにおいては極めて重要です。
最後に、キングとルックの位置取りが悪い例を見てみましょう。
32
32において、黒はポーンと対抗しているのですが、キングがルックの邪魔をしていて、このせいで黒が負けてしまいます。
まず1.d7 Rg6+です。黒はポーンを止めることができませんから、残された唯一の手段はチェックをかけることです。
これに対して2.Ke5! です。ルックによるチェックは、最初にぱっと見たときには無害に思えますが、決してそうではないのです。白は正確に指さなければなりません。2.Ke7では2...Rg1! 3.d8=Q Re1+ 4.Kd7 Rd1+で引き分けになります。だからといって2.Kd5でも2...Rg1とされて、3.Rd1+を狙われます。
黒2手目からは2...Rg5+ 3.Ke4 Rg4+ 4.Kd3 Rg1 5.Kc2と進んでいきます。白のキングはどこへ行っているのでしょう?白キングがc2の位置でチェックを防いでいるのは、簡単にわかります。しかしdファイルを横切るときには注意をしなければなりません。そうしないと黒ルックにdファイルに到達するのに必要なテンポを与えてしまい、黒にピンチを切り抜けられてしまいます。
黒の5手目からは5...Rg2+ 6.Kc3 Rg3+ 7.Kc4 Rg4+ 8.Kc5 Rg5+ 9.Kc6 Rg6+ 10.Kc7と進み、ポーンをクイーンにすることができます。