(前回からの続きです)
次の例は、ナイトが遠くにあるポーンを取る方法を示しています。
37
ポーンの前進を止めるためには、ナイトはb7かb8のいずれかのマスに達していなければなりません。37の局面では、相手キングが邪魔をしているので、ナイトは右からポーンに近づいていくことはできません。従って、ポーンの左に回りこまなければならないのです。すなわち、1...Nd3! 2.b6(もし2.Kd5ならば2...Kf3 3.Kd4 Nf4 4.b6 Ne6+ から5...Nd8です) 2...Nb4 3.b7 Na6で引き分けです。
時々、ナイトがポーンに追いつく時間がなさそうに見えるときがありますが、そのときは相手キングが助けてくれることもあります。
38
38の局面では、黒は次のようにしてピンチを脱します。
1...Nd3 2.b7 Nc5 3.b8=Q Na6+で引き分けです。白のキングの位置が、黒を手助けしているのです。黒キングがどこか目立たない場所にいてくれたら、ポーンは安全にクイーンに昇格できたはずなのです。
読者の皆さんは、このナイトが持つ大事な能力―つまりチェックで必要な手数を稼ぐ能力―が、役に立つことにお気づきになるでしょう。次のスタディは、ナイトの可動性を見事なまでに表現しています。
39
白のキングははるか遠くにいますので、ナイトは単騎で相手の駒と戦わなければなりません。キングを加勢に行かせようとしても、失敗します。例えば1.Kg2 Kc5 で2...b3とされた後、ナイトはポーン周囲から追い出され、ポーンの前進を阻止できなくなります。
この局面を基本的な要素に分解して考えてみましょう。黒のポーンがb2に達したとき、白ナイトはa3, c3 d2の3つのうちいずれか1つのマスにいれば、白は引き分けに持ち込めます。しかし、どうやったら、それが実現できるのでしょうか?
(この項続きます)