(前回からの続きです)
パスポーンを相手にするうえでは、ナイトはビショップよりも扱いにくくなります。さらに、パスポーンがキングに掩護を受けていれば、引き分けになるかが基本的な争点になります。ナイトが単騎でポーンと戦わなければならないときには、ナイトのこなすべき仕事はなおさら複雑です。ビショップと違って、ナイトは遠方からポーンの前進を止めることはできません。
残っているポーンが端のポーンでなければ、キングの掩護が無くとも、ナイトは8段目のマスを占拠して7段目のポーンを止めることができます。
34
34の局面から、ゲームは1.Kd6 Nb8 2.Kc7 Na6+ 3.Kb6 Nb8と続きますが、白のキングがナイトをポーンの周りから排除できないのは明らかです。
しかし、端のポーンが残っている場合には、ナイトが退却する場所がないので、結果としてナイトが取られてしまい、負けてしまいます。
35
35から1.Kc6 Na8 2.Kb7と進んだら、白はナイトを取り、ゲームも勝ちます。ただし、端のポーンがまだ6段目にいるのなら、単騎であろうとなかろうと、ポーンに対抗できます。
36
36から、白がどんな手を指しても、ナイトをポーンの周りから排除することはできません。例えば、1.Kc5 Na7 2.Kb6 Nc8+ 3.Kb7 Nd6+ 4.Kc7 Nb5+ 5.Kb6という手順があります。
一見すると、白はナイトを排除できたかに見えますが、黒は5...Nd6! と応じ、6.a7に対して6...Nc8+と指されたら、白は不満です。黒がうまく防御できるのは、このような狙いがあるからです。ポーンの周りを「跳ね回る」ことで、ナイトはポーンの前進を阻むことができます。効果的に「狡猾な」フォークがかけられるというナイトの能力が、このようなエンディングでは重要な戦術的要素になります。
(この項続きます)