エンドゲームにおいては、たった1個の「しがない」ポーンが勝負を決定付けることがあります。というのも、それがクイーンになると、チェックメイトにできるだけの戦力的優位がもたらされるからです。
この章では、各種ピースを伴う状況で、ポーンをいかにして前進させ、プロモーションさせるか、いつポーンをプロモーションさせるのが良くて、いつがよくないのか、どんな要素がプロモーションに利するのか、そうでないのか、といったことについて、われわれの分析を紹介します。
キングとポーン対キング
キングがポーンの通り道になるマスに居座っている、つまり我々がよく言うところの、キングがポーンをブロックしているときが、キングがポーンに対抗しているときの最善の形です。しかしながら、キングはいつまでもそのマスにとどまることはできません。自分の手番になると1歩退却し、マスをあけて、ポーンに通り道を譲らざるを得なくなるのです。そして、44のように、守備側のキングが後退できない状況になるまで、キングの掩護を受けているポーンは前進を続けます。
44
44では、お互いに典型的なツークツワンクの状態にあることがわかります。双方とも、手番を持っていると都合が悪いのです。白は1.Kc6と指さざるを得ないでしょうが、ステイルメイトとなって引き分けを認めることになりますし、黒の手番なら1...Kb7を強制され、それに対して2.Kd7とされて、クイーンを作られてしまうからです。つまり、ポーンを進めている白は、黒の手番になるように44の局面に持ち込まなければならない、逆に黒はこの局面で白の手番になるように指さなければならないのです。